命を救う医療から、人生を支える医療へ

── 脳外科医として20年、美容外科医として17年
“人生の質”を問い続けた医師がたどり着いた、美容医療の本質

SOグレイスクリニック
院長 近藤 惣一郎(こんどう・そういちろう)

美容医療は、外見を変えるためだけのものではない。
そう語るのは、SOグレイスクリニック院長 近藤 惣一郎(こんどう・そういちろう)医師だ。

近藤医師が向き合ってきたのは、「人がもう一度、自分らしく生きるための医療」だった。
脳神経外科医として約20年、命を救う現場で研鑽を積み、44歳で美容外科の世界へ。
そこから17年、彼は一貫して“自然な若返り”を追求してきた。

派手な変化や流行を追うのではなく、骨格や筋肉、加齢による変化を丁寧に読み解き、その人本来のバランスを取り戻していく。
自由度が高く、医師の判断が結果を大きく左右する美容医療の分野において、近藤医師が貫く姿勢からは、医師としての”覚悟”がひしひしと伝わってくる。
近藤医師の哲学、白衣の向こう側に迫った。

目次

脳外科医として見つめた「人生」

近藤医師は京都大学医学部を卒業後、脳神経外科医として救急医療の最前線に立ち続けてきた。
判断の遅れが命に直結する現場で、緻密さと即断力、そして結果への責任を叩き込まれた。

一方で、医師としての経験を重ねるなかで、ある問いが芽生えていく。
「命を救うことだけが、医療の役割なのだろうか」。
病気ではないが、外見の変化によって自信を失い、日常を楽しめなくなっている人たち。
顔面神経や頭部の治療を通じて、外見の回復がその人の表情や人生観まで変えていく場面を、何度も目にしてきた。

44歳での美容外科転身は、大きな決断だった。
「脳外科と美容外科は違う」。そう言われ、不採用を告げられることも少なくなかった。
それでも「一から学ばせてほしい」と頭を下げ、第二の医師人生を切り拓いていく。

“自然な若返り”という考え方

近藤医師の診療の軸にあるのは、「自然な若返り」という考え方だ。
しわを消すことでも、年齢を否定することでもない。
加齢によって何が変わったのかを分析し、元のバランスへと戻すという発想である。

「表面だけを整えても、本質的な若返りにはつながらない。土台を見なければ意味がない」。
脳外科医として培った解剖学的知識は、顔面治療において大きな強みとなっている。
血管や神経、筋肉の走行を熟知したうえで行う治療は、安全性と自然な仕上がりの両立につながる。

近藤医師がカウンセリングに1時間半から2時間をかけるのも、この考え方に基づいている。
悩みを聞くだけでなく、「なぜそう見えるのか」「原因はどこにあるのか」を言葉と図示で丁寧に説明し、治療のゴールを患者と共有するためだ。

自由診療だからこそ問われる、医師の判断

美容医療は自由診療である。
患者が治療法を指定し、医師がそれに応じることも制度上は可能だ。

しかし近藤医師は、「やりたい治療」と「必要な治療」は一致しないことが多いと語る。
希望があっても、医学的に不要、あるいは過剰と判断すれば提案しない。
短期的な変化ではなく、その人の人生にとってどうかという視点を優先する。

「医療である以上、利益よりも安全と納得が先にある」。
この姿勢は、自由度の高い美容医療において、医師の倫理が結果を左右することを端的に示している。

クリニックの世界観に込められたこだわり

2010年、東京・御殿山にSOグレイスクリニックを開院。
効率を重視する医療ではなく、対話を重んじる医療を実現するための選択だった。

人目を避けて来院できる立地。邸宅を改装した院内は、病院特有の緊張感を和らげ、患者が落ち着いて言葉を選べる空間になっている。

カウンセリングは診察室ではなく書斎で行い、医師と患者が一対一で向き合う時間を大切にしている。
説明から施術、アフターケアまでを近藤医師自身が担うのも、「医療としての責任」を最後まで引き受けるためだ。

美容医療の健全な未来へ

近藤医師が見据えているのは、美容医療そのものの健全な発展である。
自由度が高いがゆえに、誤った情報や過剰な治療が広がりやすい現状に、強い問題意識を持っている。

「患者が正しい選択をできるよう、医師が誠実でなければならないと思います」。
今後は、技術を極めることに留まらず、美容医療の考え方や向き合い方を社会に伝える活動にも力を注いでいくという。

かつては、60歳が一つの節目になると思っていたと話す近藤医師。
しかし、60歳を越えた今も近藤医師は「まだまだやれる」と語る。
むしろ、経験という土台があるからこそ、若い頃よりも挑戦できる感覚があるという。

近い将来、UAEなどの海外でも美容医療にも取り組む予定だ。
それも、近藤医師にとっては、自らの可能性を更新し続ける上での通過点にすぎない。

命を救う医療から、人生を支える医療へ

近藤医師はこれまで、他の医師を雇わず、常に自らの手で美容医療を続けてきた。
すべてを自分で引き受けるという選択は、効率とは正反対にあるように思える。
だが、すべての判断と結果を背負う責任があるからこそ、慢心は生まれない。
常に自分自身を更新し続けることができるという。

「このやり方は、自分には合っていると思います。ただ、他の医師に勧めたいとは思わないですね」。
自らのスタイルを他の医師に強いることはない。
自分の姿を見て、何かを感じ取ってくれたらそれでいいと語る。
身につけてほしいのは、技術ではなく、責任感だという。
医師である以上、判断と結果から逃げないこと。
その覚悟こそが、次の世代に受け渡されるべきものだと近藤医師は考えている。

命を救う医療から、人生を支える医療へ。
その根底にあるのは、「人の人生に責任を持つ」という医師としての覚悟である。

自然に、無理なく、その人らしく。
近藤惣一郎医師の歩みは、いまなお道半ばにある。

SOグレイスクリニック
院長 近藤 惣一郎(こんどう・そういちろう)

京都大学医学部卒。脳神経外科医として約20年、救急医療の最前線で命と向き合ったのち、44歳で美容外科へ転身。以来17年にわたり、「人が自分らしく生きるための医療」として“自然な若返り”を追求してきた。骨格や筋肉、加齢変化を丁寧に読み解く治療と、長時間の対話を重視したカウンセリングを特徴とする。自由診療だからこそ、利益よりも安全と納得を優先する姿勢を貫き、美容医療の健全な未来を見据えている。

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