南青山添野歯科医院
院長 添野 郁夫(そえの・いくお)

東京・南青山で長年診療を続ける添野郁夫歯科医師。
患者の歯だけを見るのではなく、その人の生活、身体全体、さらには心の状態にも目を向けながら、日々の治療にあたっている。
東洋医学と西洋医学、それぞれの良さを理解し、必要に応じて使い分ける。
その柔軟さと誠実な姿勢が、多くの患者の信頼を集めている。
「体にとって何がいちばん自然か。無理なく使い続けられるか。それを常に考えています。」
必要以上に介入しない。できるだけ削らず、抜かず、自分の歯を守る。
添野医師の治療は、シンプルだが深い哲学に支えられている。
“生き方”が、口の中に表れる
「どこで育ったか」「どんなものを食べてきたか」「仕事は忙しいか」──。
添野医師の問診では、いきなり歯の話から始まることは少ない。
むしろその人の生活背景を丁寧に聞くことから始める。
「たとえば、小さい頃から魚をよく食べていた方は、歯の土台がしっかりしている傾向があります。
逆に甘いものが多かったり、冷たい飲み物をよく飲んでいた方は、歯茎が弱くなりやすい。
生活の積み重ねが、口の中に出てくるんです。」
診療台の上だけでは見えないものに目を向ける。それが、添野医師の基本姿勢だ。
「歯茎の色、粘膜のツヤ、炎症の有無。そういうところに、全身の血流や免疫の状態が出てきます。」
ストレスを抱えている人ほど、歯ぎしりや噛みしめによって歯に負荷がかかりやすく、内臓の不調が口の中に現れることもある。
そうした小さな変化を見逃さず、必要に応じて体全体へのアプローチを伝えているそうだ。
「マッサージの方法を教えたり、噛み合わせを整えたり。そういうことも歯科の役割のひとつだと思っています。」
“知ること”から始まるセルフケア
添野医師は、患者自身が「自分の状態を理解すること」が最も大切だと語る。
「治療しても、普段の生活で戻ってしまうことは多いです。
だから、まずは自分の状態をきちんと知ること。それがセルフケアの第一歩になります。」
そのために、CTや口腔内カメラを使って実際の状態を見せる。静電気を応用したイオン歯ブラシなど、刺激の少ない予防アイテムも積極的に紹介する。
「怖くない治療、やさしいケア。まずはそこからでいいんです。」

自分の歯を、できるだけ長く使う
添野医師は、親知らずの移植にも取り組んでいる。
たとえば前歯や奥歯をやむを得ず抜かなければならない場合、まだ健康な親知らずを引き出し、形を整えて移植する。
これにより、自分の歯で咀嚼力を保つことができる。
「人工物より、自分の歯のほうが適応力も高いです。できるだけ無駄なく使えるようにしたいと考えています。」
条件がそろえば、移植した歯がしっかり定着することも多いという。
医療技術の進歩にも目を向けている。
低被ばくのCT、音が出にくい超音波の治療器具、レーザーによる精密な処置。
どれも「負担が少ないか」「患者が怖がらずに受けられるか」が導入の判断軸だ。
「治療のためにストレスをかけすぎては意味がないです。
ソフトな処置を重ねることで、結果的に良くなっていくと思っています」
診療室は、痛みを取る場所であると同時に、生活を整える場所でもある。
添野医師は、そんな日常に近い医療を目指している。
人を診るということ
添野医師は、何も特別なことをしているわけではないと謙遜する。
ただ、一人ひとりの話に耳を傾け、その人に合った方法を一緒に見つけていく。
「患者さんの暮らしが少しでも楽になるように──
それを考えるのが、歯科医の仕事だと思っています」
治療の主語は、あくまで“その人自身”。
その姿勢が、患者からの信頼を集めている。
肩肘を張らない、けれど確かなものを届け続ける。
添野医師が実践するのは、患者とともに歩む“寄り添う医療”だ。
南青山添野歯科医院
院長 添野 郁夫(そえの・いくお)
東京・南青山の地で長年人々の健康を支えている歯科医。歯だけでなく“人そのもの”を診るという信念のもと、生活習慣や身体の状態、心のコンディションまで丁寧に聞き取り、東洋医学と西洋医学を柔軟に取り入れながら、できるだけ削らず抜かない治療を実践する。歯茎の色や粘膜のツヤから全身の変化を読み取り、噛み合わせやマッサージ指導など、体全体を整えるアプローチも大切にしている。「自然に、無理なく、自分の歯を長く使う」ための医療を追求し、患者に寄り添う姿勢が多くの信頼を集めている。
