
近年、男女問わず需要が高まっている薄毛治療。その中でも、女性の薄毛治療に特化した数少ないクリニックのひとつが、ルートレディースAGAクリニックだ。
鎌倉エリア、大船駅から徒歩3分。院長の清水弘太郎医師は、もともと形成外科と麻酔科領域に没頭してきた。その後、大手クリニックで画一的な治療の限界を感じ、「一人ひとりの悩みに、丁寧に応えられる場所をつくりたい」としてこのクリニックを立ち上げた。
クリニックに訪れる女性たちが抱える悩みは、単なる薄毛の問題にとどまらない。鏡の前でふと視線を向けた時の、分け目や毛量のわずかな変化が、人との距離感や生活そのものに影響を及ぼしているという。
こうした、人に打ち明けづらい“痛み”に寄り添うために、清水医師は治療を“どう生えたか”ではなく、“どう生きたいか”から組み立ててきた。清水医師の医療哲学、白衣の向こう側に迫った。
“あと一歩”を叶えたい
形成外科と麻酔科の二つの領域で経験を重ねてきた清水弘太郎医師は、見た目の変化が患者の心にどれほど影響を与えるかを、目の当たりにしてきた。薄毛治療に携わる中で、特に胸に残ったのは、男性よりも女性の悩みが深く長引くという現実だ。
「男性は“歳だから仕方ない”と治療を手放すことが多いです。一方で女性は、高齢になっても『きれいでいたい』という思いを強く持ち続けるんです。」
女性の薄毛には特有の変化がある。頭頂部や分け目の地肌がゆっくりと透けていく。その小さな変化が、外出を控える理由になり、人との会話を避ける理由になる。髪は、単なる“見た目”ではなく、その人が社会とつながるための扉でもあると清水医師は語る。
一方で、大手クリニックに在籍していた頃は、「もう少し生やしたい」という患者の切実な声に応えられないもどかしさが残ったという。マニュアル化された診療の枠組みは、安全性のために必要である反面、“あと一歩”の個別対応を阻む壁にもなっているという。
「本当はもっと踏み込める患者さんがいるのに、その一歩が叶えられない。それが続いて、いつか自分で“治療の形”をつくりたいと思うようになりました」
そうして芽生えたのが、女性専門の薄毛クリニックという構想だった。

“どうなりたいか”から始まる薄毛治療
清水医師が診療で最も重んじているのは、医学的な数値や診断よりも、患者が「どう生きたいか」という視点だ。
「薄毛治療で一番大事なのは、患者さん自身がどうなりたいか、という点なんです」
医学的には「まだ薄くない」と評価される状態でも、本人が過去の自分と比べて確かな喪失を抱えていることがある。その小さな違和感を丁寧に受け止めるところから、治療は始まっていく。
治療期間の中で、薬の量を段階的に調整し、症状の変化に細かく寄り添いながら進めていく。小規模な組織だからこそ実現できる柔軟なオーダーメイドスタイルが、クリニックの核となっている。
清水医師は、治療の成果を単なる毛量の増減で測ることはしない。
「外出が増えたり、ウィッグを外して歩けるようになったり。生活の変化が生まれた瞬間が一番うれしいんです」
薄毛治療は、日々の暮らしに再び光を取り戻すための医療。その信念が清水医師の原動力となっている。
対面で患者と向き合うことへのこだわり
ルートレディースAGAクリニックでは、診療もカウンセリングも一貫して対面で行われる。オンライン診療が一般化した今も、“顔を合わせる”ことの必要性を強く感じているという。
「特に女性は、悩みを同じ空間で共有したいという方が多いんです」
薄毛という悩みの診療には、画面越しでは拾いきれない要素が多く含まれる。表情のわずかな揺れ、髪に触れる仕草、声のトーンなど、様々な要素を汲み取って診断していくことが重要だという。
院内の導線も、初めて訪れる患者が緊張を抱えすぎないように設計されている。落ち着いた照明と清潔感のある空間。問診、診察、撮影、カウンセリングが自然に流れるような動線。そこに女性専門院としての“安心感”がある。
カウンセリングの時間は十分に確保され、専門資格を持つスタッフが一人ひとりの背景を深く聞き取る。悩みを言葉にしづらい患者でも、対面だからこそ口を開きやすくなることがある。髪の状態だけでなく、生活スタイルや心情に至るまで、総合的に理解できるのが対面診療の強みだ。
画面越しでは埋まらない“距離”を縮めること。悩みを抱えた女性が、同じ空間で安心して呼吸できる場所をつくること。ルートレディースAGAクリニックは今も対面診療にこだわり続けている。

“届けられる医療の総量”を増やしていく
清水医師が見据える未来は、単に患者数を増やすことではない。“届けられる医療の総量”を高めること。そのために必要な体制づくりを、着実に進めている。
現在、クリニックは常に予約が埋まり、初診まで1か月待ちの状態が続く。小規模な専門院としてクオリティを落とさず診療するには限界がある。だからこそ清水医師は、同じ価値観を共有する医師やスタッフを育て、治療を担える人材を増やしていきたいと考えている。
「一人で診られる人数にはやはり限界があります。クオリティを担保したまま、治せる患者さんを
増やしていきたいと考えています。」
その想いの延長線上に、2院目の構想も見えてきた。拡大ありきではなく、“手の届く範囲”を慎重に広げていくという姿勢だ。
さらに今、清水医師が力を入れているのが“治療法の拡張”である。塗り薬の開発など、新たなアプローチにも着手しており、治療の選択肢を増やすことで、より多くの症例に向き合える体制を目指している。
薄毛治療は、決して一つの薬や一つの施術で完結する領域ではない。だからこそ、患者の“なりたい姿”に応えるためには、多様な武器を持ち、最適な組み合わせを提示できる医療である必要がある。
「クオリティを守りながら、治療の幅を広げていく。その両軸を大切にしたいですね」
清水医師の目線は、“届ける医療の質と量”を、確実に育てていくための未来へと向いている。
悩みの先にある“生活の輪郭”を取り戻す
髪は、”その人らしさ”を映し出す輪郭の一部である。清水医師にとって、薄毛治療はその輪郭を取り戻すための方法だ。毛量の変化だけを追うわけではない。患者の”なりたい自分”を描き直し、再び“光”を取り戻すまで寄り添い続ける。
派手さはない。
しかし、一言一言を丁寧に受け止め、細部までこだわり抜く姿勢が、ルートレディースAGAクリ
ニックには息づいている。輝きを取り戻した光たちが、今日も社会を明るく照らしている。

清水弘太郎(しみず・こうたろう)
形成外科・麻酔科で経験を重ねたのち、大手クリニックでの画一的な治療に限界を感じ、「一人ひとりの悩みに丁寧に応える医療」を求めてルートレディースAGAクリニックを開院。女性特有の薄毛悩みに寄り添い、“どう生きたいか”を起点にしたオーダーメイド治療を実践する。対面診療にこだわり、生活の光を取り戻す医療を追求しながら、治療法の拡張や後進育成にも尽力している。
