“家族”として寄り添う医療

── “家族”の安心と絆を守るため、出産前後も見守り続ける産婦人科医の挑戦

芥川バースクリニック 院長 芥川 修(あくたがわ しゅう)

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医療は“安心”を届ける仕事

「医療は、単なる技術ではなく、人と人との信頼で成り立つものです」。

芥川修医師は、そう穏やかに語る。川崎市麻生区にある芥川バースクリニックでは、患者を”家族”として捉え、妊娠から出産後まで一貫したファミリーケアを重視している。

患者が抱える不安や緊張をいかに早く和らげるか。そのスピード感こそが医療の質を左右すると芥川医師は考える。

芥川バースクリニックには地域外からも多くの家族が訪れている。技術の先にある「安心」を届ける医療。芥川医師の哲学に迫った。

“支える医療”を志した日

芥川医師が産婦人科を志したのは、人の人生を根源から支える仕事に魅力を感じたからだ。父が産婦人科医だったこともあり、幼少期から身近に医療を見て育ち、患者に寄り添う姿勢に強く心を動かされた。

大学・研修医時代を通して痛感したのは、医療の本質が「正確な診断」や「技術力」だけではないということ。

「患者さんが不安を抱えている時間をいかに短くできるか。それが本当の意味での“良い医療”だと思うんです」。

そう語る芥川医師の言葉には、これまで現場で積み重ねてきた経験と信念がにじむ。ひとつの命の誕生に立ち会う責任の重さと尊さが、彼の診療哲学を形づくっていった。

“ひとりにしない”仕組みをつくる

芥川バースクリニックでは、妊娠中から出産、そして産後まで、すべての過程で“ひとりにしない”医療を実践している。

「妊婦さんが何か不安を抱えている時に、検査や対応に時間がかかれば心配はどんどん膨らんでしまう。だからこそ、必要なサポートを最短で受けられるようにしたい」と芥川医師は語る。

そのため、クリニックでは各分野のスペシャリストが明確に役割を分担しつつ、常に連携を取り合う“分業体制”を導入。それぞれの分野で専門性を持ったスタッフが強みを発揮しながら、患者が抱える小さな疑問にもすぐ応えられる体制を整えている。

「専門性の高い方々を集めるのは簡単ではありません。でも、それが患者さんの“安心”につながるのだとしたら、やる意味があるんです」。

その言葉には、経営的な効率よりも患者の安心を優先する、医師としての揺るぎない覚悟がある。

“話す”ことから生まれる信頼

診察のとき、芥川医師が最も大切にしているのは“会話”だ。

体調のことだけでなく、家族の状況や精神的な不安など、些細なことも丁寧に聞く。

「診療は“データを見る”ことじゃなく、“人を見る”こと。どんな小さな変化でも見逃さないことが信頼の第一歩です」。

患者の多くは、出産という人生の転機に不安を抱えながら来院する。

だからこそ、安心して話せる空気づくりが欠かせない。診察室を“質問しやすい場所”にするために、スタッフ全員で声かけのトーンや接し方を共有しているという。

こうした姿勢が口コミで広がり、遠方から訪れる患者も増えているという。

無痛分娩とファミリーケア

芥川バースクリニックでは、無痛分娩の導入にも積極的だ。

「出産の痛みを軽減することは、お母さんと赤ちゃん双方の安全につながります」と芥川医師。

出産を「苦痛の記憶」ではなく、「家族の喜びの時間」として残してもらいたい
―その想いが根底にある。

さらに、出産後の母親の心身ケアにも力を入れている。

授乳や育児相談、産後の体調変化のフォローアップを行い、退院後もサポートが続く体制を整えている。

母と子のケアだけでなく、家族全体の安心を見守る“ファミリーケア”の考え方が、芥川クリニックの診療スタイルの根幹だ。

“ファミリーケア”の思想は、分院である芥川ウィメンズクリニックにも息づいている。

同クリニックでは、妊婦健診をはじめ、婦人科一般診療、産後のフォローアップまで、女性の一生に寄り添う医療を提供。バースクリニックとの密な連携により、妊娠前から出産後まで切れ目なく続くサポート体制が特徴だ。

特に、妊娠初期からの丁寧なカウンセリングや、女性特有の不調に対する専門的なアプローチ、そして芥川バースクリニックとのシームレスな情報共有は、安心して妊娠期を過ごしたい女性たちから高い支持を集めている。

不安を抱えやすい妊娠前後こそ、医療者との距離が近い存在でありたい――。

その思いが形になった芥川ウィメンズクリニックは、地域の女性たちにとって、もうひとつの大切な“安心の拠点”となっている。

地域とともに歩む医療へ

今後の展望を尋ねると、芥川医師は少し考えてから言葉を選んだ。

「医療の形は時代とともに変わりますが、“人の心を支える”という本質は変わらないと思います」。

少子化が進む中で、安心して妊娠・出産できる環境づくりは、社会全体の課題でもある。

そのため、行政や地域医療機関との連携にも力を入れ、出産後の母親支援や産後うつの早期発見など、多角的なサポートを模索している。

「出産を終えたあとも、家族として、地域の一員として、ずっと見守り続けられる存在でありたい」。

その言葉には、産婦人科医としての責任と、ひとりの父親としての温かいまなざしが共存していた。

“家族の安心”を編み直す場所

クリニックを訪れる家族の笑顔、退院後に届く感謝の手紙。

それらは、芥川医師にとって何よりの励みだという。

「忙しい日々の中でも、患者さんの“ありがとう”がすべてを報いてくれます」。

効率や数字では測れない医療の価値を信じ、今日もひとつひとつの命と向き合い続ける。

芥川医師の挑戦は、出産という瞬間にとどまらず、その後の人生をも包み込む“家族の安心”を編み直す営みだ。

芥川修医師の白衣の向こう側には、穏やかに、そして確かに人を包むぬくもりがあった。

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